日々、ファクトリーに送られてくる修理靴を観察していると、白の割合がとても多いことに気が付きます。
ネグローニレザーのホワイトを使用した靴は、私たちの商品ラインナップの中でも特に人気のカラーです。ソフトなシボ感を持ちオールシーズンを通して楽しめるホワイトスニーカー。しかしながら、ホワイトは履く人に気品と清潔感を与えてくれる色味である一方、レザーの表面に加え、革のシボの隙間に汚れがたまりやすく、お客様ご自身では汚れが落としにくいという問題点がありました。
この気づきによって、従来のネグローニレザーでは表現しきれなかった"機能"の部分からインスピレーションが沸きました。
単純に汚れに強いホワイトレザー、又その白さを履きながらも持続していけるような性能を持った革の開発は、果たして可能なのでしょうか?
革づくりに千年以上の歴史を持ち、優れたタンナー(革の技術者)と高い美意識を持ったイタリアなら、前述したような革の開発が可能なのではないか。
ネグローニが求める美しさと機能性を兼ね備えたホワイトレザーの開発は、イタリア・ヴィエッラのタンナーへと委ねられます。
出来上がった美しいホワイトレザーが 「ダービー チタニウムホワイト」
ダービーは、一見したところでは普通のレザーと見分けることが難しいですが、実は革の表面に繊細な型押しの極薄フィルムを圧着しています。
このレザーの特筆すべき点は、水はもちろん、泥汚れなどもウェットテッシュで軽く拭き取るだけで簡単に落とすことができる点です。一方で、天然皮革の持つ独特のノビやしなやかさは消えることはありません。また、コーティングされた表面は、多少の引っ掻き程度では傷がつきにくく、撥水性と防傷性の両方を併せ持った"万能なレザー"と言えます。ネグローニの次世代を担う興味深いマテリアルです。
このチタニウムホワイトレザーは、今回のエキシビションで発表の【スピアヘッド】、【イデアコルサ】、【グランプリハイトップ】に採用しております。
スピアヘッド(ホワイト&オレンジ)
スピアヘッド(ホワイト&レッド)
スピアヘッド(ホワイト&グレー)
イデアコルサ(チタニウムホワイト)
グランプリハイトップ(ナチュラルオーク)